卒業袴の矢絣(やがすり)・矢羽根模様が人気!
意味や種類・着こなしを紹介

2021年12月20日

卒業袴にはさまざまな柄がありますが、高い人気を誇るのが矢絣(やがすり)・矢羽根模様です。女子学生の袴姿といえば、この矢絣・矢羽根模様をイメージする人も多いでしょう。定番なので周りとかぶらないか心配になる人もいるでしょうが、矢絣にもさまざまな種類があります。定番のデザインからレトロモダンなスタイルまで、お好みに合わせて選べます。

この記事では矢絣の意味・種類や矢絣柄の袴の魅力について詳しく解説します。また、後半では矢絣柄のおすすめコーディネートや着こなし方もご紹介しますので、卒業袴を選ぶ際の参考にしてください。

卒業袴の定番スタイル「矢絣」「矢羽模様」

矢絣・矢羽根模様は卒業袴の定番として流行に関係なく愛され続けています。矢絣柄は縁起のいい柄といわれていますので、柄が持つ意味や種類などを学んでおきましょう。

矢絣・矢羽根模様とは

矢羽根模様とは、弓矢の上部にあしらわれた鳥の羽の部分をモチーフにした模様のことです。お正月に神社やお寺で授与してもらえる破魔矢を思い浮かべるとイメージしやすいでしょう。破魔矢の上部には白い羽がありますが、この部分を図案化したのが矢羽根模様です。

また、矢絣とは矢羽根模様の絣織物を意味し、矢羽根絣(やばねがすり)、矢筈絣(やはずがすり)、矢飛白(やがすり)とも呼ばれます。絣とは絣糸を使って文様を表す織物のことで、文様の輪郭がかすれて見えるのが特徴です。はっきりとした矢羽根模様に対し、矢絣柄は輪郭がかすれているのが特徴で、本来は矢羽根模様に織った絣のことを意味していました。しかし、矢羽根模様が小紋などに使われるようになってからは矢羽根模様のことを矢絣と呼ぶようになっていきました。

矢絣は縁起柄

矢絣は縁起の良い柄で、破魔矢と同じ邪気を払うという意味があります。また、矢は射るとまっすぐに飛び、戻ってきません。矢の特徴にちなみ、江戸時代には娘が嫁ぐ際に「出戻ってこないように」と矢絣の着物を持たせる風習があったといわれています。

矢絣・矢羽根模様の種類

矢羽根模様といえば、矢羽根が規則正しく並んだデザインを思い浮かべる方が多いものでしょう。矢羽根模様は単調なようですが、矢羽根の向きが一方向に並んだものと、2列ごとに向きが互い違いになったものがあります。色は赤と白、紫と白など2色で描かれているのが一般的ですが、最近はカラフルな矢絣柄もあり、バリエーション豊富です。また、矢羽根と花などを組み合わせた華やかなデザインもあります。

明治・大正時代に女学生の制服として採用

一般女性が袴を身につけるようになったのは、明治時代に入ってからのことです。それまで宮廷では着用されていたものの、袴は男性のものとされていたため、女官以外の女性は身につけることがありませんでした。

明治時代になり、文明開化によって女子に対する教育が広まるようになりました。しかし、着物に帯というスタイルで授業を受けると裾が乱れてしまいます。そこで女子学生に袴の着用が認められました。しかし、当時の袴は現在の卒業袴のようなスカートタイプではなく、ズボンのようになった男袴であったため、世間からの批判もあって袴の着用はいったん廃止されてしまったのです。

その後、華族女学校(現在の学習院女子部)で学監を務めた下田歌子先生が女官の経験を生かして女性のための袴作りに乗り出し、スカート状の袴を発案。袴の色は、宮中の未婚女性が身につける色に基づき海老茶色に決まりました。また、矢絣は未婚女性にふさわしい文様という認識があったため、矢絣のお召しと海老茶色の袴が採用されました。このスタイルが女子学生の間で広まり、女性の通学服として定着していったのです。

矢絣柄の袴の魅力

矢絣柄の袴は時代を超えて長く愛されています。矢絣柄の袴にはどのような魅力があるか確認しておきましょう。

大正ロマン風でレトロなかわいさがある

矢絣柄の袴は明治・大正時代の女学生をイメージさせるスタイルなので、レトロなかわいさが魅力です。大正時代は女子学生が袴を身につけるようになり、自転車に乗ったりスポーツをしたりして活動的に過ごすようになった時代です。西洋文化を取り入れるようになった大正ロマンのレトロな雰囲気は、現代の女性にとって新鮮な魅力があります。

ハイカラさんスタイルになれる

矢絣柄が大正ロマン風でかわいいというイメージは、大正時代を舞台にした漫画「はいからさんが通る」の影響が大きいと考えられます。「ハイカラ」は英語の「high collar(ハイ カラー)」に由来した言葉で、直訳すれば高い襟という意味になりますが、西洋風の身なりや生活様式を好む人という意味の言葉です。1970年代に連載されていた漫画「はいからさんが通る」はアニメ化・ドラマ化・実写映画化され、2017年になっても劇場版アニメの制作・上映、宝塚歌劇団による上演など、長く愛され続けている作品です。

漫画「はいからさんが通る」の主人公が着ていた衣裳は紫色の矢絣柄に海老茶色の袴で、当時の女学生の制服です。矢絣柄の袴にブーツを合わせることで、大正時代のハイカラさんスタイルになれることが矢絣柄の魅力といえるでしょう。

バリエーション豊富

矢羽根模様が並んだ矢絣はシンプルなデザインでありながら、バリエーションが豊富な点も魅力の1つです。紫と白、赤と白など定番の色使いだけでなく、さまざまな色を組み合わせた矢絣が登場しているため、なりたいイメージに合う矢絣が見つかるでしょう。

また、色だけでなく矢絣の幅によっても雰囲気がガラッと変わります。幅が太めだとカジュアルでかわいい雰囲気に、細めだとキリッとした雰囲気になります。さらに矢絣と花などの模様がミックスされた柄もあり、大きくカラフルに描かれた花模様との組み合わせは、流行のレトロモダンな雰囲気に。定番から華やかなデザインまでバリエーション豊かなところが矢絣の魅力といえるでしょう。

縁起がよい柄

学生時代を締めくくる卒業式は一生に一度のことで、人生の節目といえます。そのような大切な日に着る着物は縁起がいい柄を選びたいと思う方が多いものでしょう。先ほども触れましたが、矢絣柄は縁起がよい柄です。射るとまっすぐに飛んで行く矢羽根にちなみ、「これから社会に羽ばたき、まっすぐに進んでいく」という願いを込めて、矢絣柄の卒業袴で卒業式に出席してはいかがでしょうか。伝統的な柄なので流行に左右されることはありませんし、色やデザインによってはモダンな雰囲気にもなれます。

矢絣柄の卒業袴のコーディネート例

矢絣柄は、色の組み合わせや幅の太さなどによって、雰囲気がガラリと変わります。伝統的な柄なので流行に左右されることはありませんし、色やデザインによってはモダンな雰囲気にもなれます。ここからは、矢絣柄の卒業袴のコーディネート例をご紹介します。

赤と白の矢絣柄×黒の袴

矢絣柄の卒業袴の定番ともいえるのが、赤と白の矢絣柄に黒の袴のスタイルです。赤の矢絣は女性のかわいさを引き立ててくれます。袴下帯も赤でコーディネートすると統一感が出てすっきりとまとまった印象になります。または黄色などアクセントになる色を選べば、モダンでおしゃれな印象になるでしょう。

黒の袴は落ち着いた雰囲気なので、フォーマルな場にふさわしい色といえます。もう少しやわらかい雰囲気がお好みの方は、紺の袴もよいでしょう。シンプルに着こなしたい方は無地の袴、おしゃれに着こなしたい方は花の刺繍入りなどを選んでみてはいかがでしょうか。

紫と白の矢絣柄×赤の袴

紫と白の矢絣柄は、定番中の定番といえます。先ほども触れました「はいからさんが通る」の主人公も紫と白の矢絣柄でした。大正時代の女学生スタイルを忠実に再現するなら袴は海老茶色なのですが、赤の袴を選ぶとレトロでありながら華やかな印象になります。

紫と白の矢絣柄×からし色の袴

定番の紫と白の矢絣柄もからし色の袴とコーディネートすれば、ガラッと雰囲気が変わります。紫と黄色は補色にあたるため、お互いの色を引き立てる効果があります。からし色は黄色より明度が低いため、優しく落ち着いた雰囲気を醸し出します。気品あるレトロスタイルがお好みの方におすすめのコーディネートです。

黒×白の矢絣柄×紫の袴

モノトーンの矢絣柄に紫色の袴をコーディネートすれば、シャープで高貴な雰囲気になれます。かわいい柄よりシンプルで大人っぽいスタイルが好きな方におすすめです。モノトーンと紫の組み合わせは落ち着いた色味なので、袴下帯や伊達襟にアクセントカラーを入れると華やかさがプラスされます。

矢絣柄をハイカラさん風に着こなすポイント

大正時代のハイカラさんスタイルをイメージするなら、髪型はハーフアップが定番です。袴が通学服として広まった時代は、髪型も西洋風に変わって「束髪くずし」というハーフアップが流行しました。加えてハイカラさん風は大きなリボンの髪飾りをつけるのが王道スタイルです。矢絣柄の卒業袴で大正ロマンあふれるハイカラさんスタイルになりたい方は、ハーフアップに大きなリボンをつけてみてはいかがでしょうか。

また、卒業袴を着用するときの履物は、一般的に草履とブーツの2種類ですが、矢絣柄をハイカラさん風に着こなすならブーツがおすすめです。ブーツが履かれはじめたのは明治時代のことで、西欧の文化が入り生活スタイルも椅子に座る文化が広まってきたため、和装にブーツを合わせるスタイルが流行したのだそうです。矢絣柄には草履も似合いますが、ハイカラさん風に着こなすならブーツを合わせてみるのがおすすめです。

まとめ

一生の思い出となる卒業式は、縁起がよい柄の卒業袴で迎えたいですね。矢絣柄は伝統的な柄ですが、レトロなかわいさがあるため、憧れの大正ロマン風のスタイルがかないます。矢絣と一口にいってもさまざまなデザインがありますので、オーソドックスな柄からレトロモダンなデザインまで、さまざまなタイプから選べることも魅力です。

まっすぐに飛んでいく矢羽根はこれから社会に飛び出していく卒業生にぴったりの柄といえます。卒業袴は門出にふさわしい矢絣柄の中から、ぜひお好みのデザインを見つけてみてください。

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